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2010年08月 アーカイブ

ガット研究の動向と問題点 3

たとえば国際経済法視点からのアプローチに対しては、そこで想定されている国際間の自由競争・公正競争というテーゼが現実の世界経済のなかでどれだけの普遍性・妥当性をもちうるのかという疑問が提起されざるをえないです。


また、同様に権力闘争視点に立った国際政治学の分析に対しては、それらの政治力学を規定した条件はなにか、その結果成立する政治的妥協は世界経済にどのようなインパクトをもち、これをどのように変化させようとしているのかが問われねばならないでしょう。


さらに、国際経済学者のいう「ガット体制崩壊論」についていえば、トータルな経済システムの認識としてはそれでいいとしても、それだけでは現実のガット機能の分析が完全に欠落してしまうという問題が指摘されます。


ガット体制が崩壊したとしても、ガットはなくなったわけでもなければ、機能しなくなったわけでもないのです。


それはある意味では従来以上に強い影響を世界経済の各面におよぼしつつあるのです。


その点にふれずに、ガット体制の崩壊の一言で片づけるのは研究者の怠慢でしょう。


総じてガット研究については、いわゆる学際的研究の深化が強く望まれるのです。

ガット研究の動向と問題点 4

研究者の分布という点についてみれば、以上の三分野のなかで相対的に研究者の分布が厚く、研究成果も数多くみられるのは国際経済法の分野であり、これに次ぐのが国際経済論です。


これに対して、国際政治学分野でのガット研究者はわが国ではきわめて少なく、業績も乏しいもの。


資料収集の制約・研究指導者の不在などが大きく影響しているのでしょうが、こうしたアンバランスは早急に是正される必要があります。


それらは今後のわが国のガット研究の大きな課題といわねばならないでしょう。

ここでは、ガットにおける農業問題の特殊性の解明を行いたいと思います。


つまり、これまでガットの内部において農業問題がどのように位置づけられてきたのか。


またそれはいかなる要因によって規定されてきたのか。


さらにガット・ラウンドと呼ばれる一連の多角的貿易交渉の過程で農業について何が問題となり、農業貿易交渉はどのように推移してきたのか・・・。


ウルグアイ・ラウンドにおける農業問題をめぐる各国の深刻な対立も、こうした分析の延長線上にとらえられねばならないことはいうまでもないでしょう。

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